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Unity of command

 PCの作戦級ウォーゲームです。PCの特性を生かしたルールになっています。展開は非常に派手です。

 テキトーに操作していても遊べるのですが、このゲームの真骨頂は、マニュアルを読んで、そしてゲーム開始前に新規マップをじっくり眺めて作戦構想を練るときにあると思います。ゲーム途中でそれに気づいて、私は至福の時間を味わうことができました。ですので初見プレイがキモだと私は思っております。
 今回はルールを大まかに書いてみます。最後に一般的なウォーゲームとの差異、私の感想を書きます。なお、記述には理解が浅いところや、間違っていることがあるかもしれません。

1 概要
 作戦級のウォーゲームです。1部隊は1個師団です。キャンペーンでは、ステージをクリアしていきます。枢軸は第二次ハリコフ戦から1942年夏季攻勢を扱い、赤軍はリトルサターン作戦からの反攻を扱います。

 各ステージは全て攻勢作戦です。それぞれ複数の勝利目標拠点が決められており、既定のターン内に全ての勝利目標拠点を占領するとステージクリアです。また、それぞれの勝利目標拠点には目標ターンが設定されており、そのターンまでに占領すると満額のVPポイントが得られ、以降徐々に得られるVPポイントが減っていきます。

 ステージごとのVPポイントが一定値を越えると、別にプレステージポイントももらえます。(基準値300点で、最終VPが400点だとプレステージポイントは100点となります。)このポイントを用いて最高司令部から追加部隊などを配給してもらえるので重要です。

 また、勝利には3段階あり、かかったターン数が短いほど高い勝利段階になります。正確にはわからないですが、これが最終的に解放されるステージ数に影響するようです。(最初枢軸でプレイした時は9ステージ中7ステージしかプレイできませんでしたが、次にプレイした時は全てのステージをプレイできました。)

2 移動と攻撃
 このゲーム、部隊ごとに移動と攻撃の順番は自由です。オーバーラン(後述)した場合は、攻撃→移動→攻撃などもできます。
 ただし、敵ZOC(zone of control)に入るには残り全移動力を使用する必要があります。(ZOCの詳細については後述)また、敵ZOCに入ると、AP(後述)は攻撃にしか使えなくなります。
 通常移動の可能へクスはオレンジ色で表示されます。

(1) 延長移動
 部隊は1AP(アクションポイント)を持っています。これを移動に用いることもできます。ユニット画面の移動力で「+」の後の分の移動力があります。このAPは攻撃と共用ですので、延長移動をした後に攻撃することはできません。 
 延長移動では敵ZOCに入ることができません。
 延長移動の可能へクスは灰色で表示されます。(マウスのホイールを回すと表示されます。)

(2) 河川横断
 河川を横断するには、ターン開始時に部隊が河川に隣接していなくてはならず、全移動力を消費して河川を横断することができます。河川横断した場合、攻撃はできますが、延長移動はできません。(マニュアル上の表現ではAPは攻撃のみにしか使えない、となってます。)

2 ZOCと前線(front line)
 2ステップ以下の部隊はZOCを持ちません。(後述の随伴部隊も1ステップとして数えます・)
 このゲームには「前線」という概念があります。以後「前線」を私になじんだ形で「占領地域」と言い換えます。具体的には、ヘクスは灰色と赤色で塗られていて、灰色は枢軸、赤色は赤軍の占領地域です。
 そして、部隊が通ったヘクスは自軍占領地域になります。さらに隣接ヘクスにも自軍占領地域になる場合がありますが、煩雑になるのでここでは説明を省きます。

 敵ZOCは自軍占領地域にはおよびません。これがゲームの特徴の一つです。つまり、敵部隊の間に隙間がある場合、そこに数珠つなぎで部隊をつなげていけば、敵部隊の隙間を抜けることができます。また、あるヘクスを攻撃してその後移動で後退、別の部隊で先のヘクスに移動→攻撃、延長移動で後退、また別の部隊で・・といった感じの波状攻撃を仕掛けることもできます。

3 戦闘
  戦闘はAPを消費します。(APは常に1しか持っていません。)このゲームの戦闘は1部隊対1部 隊です。戦闘は「オッズ」表に乱数がかかってます。APを消費すると通常移動(オレンジ色の移動)はできなくなります。(攻撃はAPを消費するのですが、例外として、後述のオーバーランが発生するとAPを消費しません。)

(1) 攻撃力と防御力
 攻撃力×ステップ数に随伴部隊(後述)の攻撃力を加えた数字が部隊攻撃力で、防御力×ステップ数に随伴部隊の防御力を加えた数字が部隊防御力です。ステップの最大値は7です。
(2) 装甲値
 戦車や機械化歩兵は装甲値を持ちます。装甲値×ステップ数が部隊装甲値です。

(3) オッズの出し方
 ア 基本オッズの算出
 まず、攻撃側の部隊攻撃力:防御側の部隊防御力で戦闘比を出し、それから基本オッズが決まります。マニュアルに載っている表は次の通りですが、その間の数字もあるっぽいです。

戦闘比
1:3
1:1
3:1
9:1
27:1
基本オッズ
-3
0

 イ コラムシフト
 (ア) 装甲効果
   (攻撃側部隊装甲値-防御側部隊装甲値)/10です。
   つまり、攻撃側が装甲値6が5ステップで、防御側はゼロだと、3コラムシフトとなります。マイナスシフトにはなりません。なお、装甲効果は地形によっては使用できないようです(きちんと確認していません)
 (イ) 砲兵効果
   攻撃側が随伴部隊に砲兵を持っていると3コラムシフト、カチューシャを持っていると2コラムシフトです。
 (ウ) 地形修正
  森・沼が-1コラムシフト、都市が-2コラムシフトとかなってます。河川越えは-2コラムシフトです。
 (エ) 天候修正
  泥濘(雨)で-2、雪で-1です。
 (オ) 練度修正
  練度は新兵、一般兵、ベテラン、エリートとあり、相手との差分のコラムシフトがあります。
  例えば、エリート対一般兵の場合、2コラムシフトとなります。
 (カ) 塹壕修正
  防御部隊が塹壕を掘っている場合は、-1コラムシフトです。

ウ 最終オッズ
  基本オッズにコラムシフトを加えたものが最終オッズとなります。

オッズ
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
攻撃側損害
5
4
3
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
防御側損害
0
0
0
1
1
1
2
2
3
4
5
6
7
防御側抑圧
0
1
2
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
防御側撤退(%)
0
0
0
0
0
10
30
50
70
80
90
100
100
オーバーラン(%)
0
0
0
0
0
0
0
0
10
20
40
80
90
オーバーラン時攻撃側抑圧








2
2
1
1
1

注1 抑圧(Suppression)というのは、部隊のステップが灰色状態になることです。抑圧状態のステップは戦闘力を持ちません。
注2 表中の「防御側抑圧」は、防御側が損害を受けなかったときにのみ発生します。
注3 また、攻撃側損害は、ベテラン部隊で-1、エリート部隊で-2されます。

注4 オーバーランは強烈です。オーバーランが発生すると、APは消費されず、1APを持った状態のままです。(もちろん敵部隊は激しく損害を受けています。)一般的なボードウォーゲームと異なり、部隊はその場にとどまっています。(いわゆる「踏みつぶす」わけではありません。)
・・・
 このゲーム、基本オッズで高い数字を出すことが難しくなっており、コラムシフトを得ることがとても重要になっています。なかでも装甲効果と砲兵効果は効果が高いため、装甲師団はとても強力です。また、砲兵効果は赤軍で効果的で、ともにゲームのカギになります。
・・・

4 随伴部隊
 随伴部隊は、1部隊に1つつけることができる特別中隊みたいなものです。それぞれが攻撃力と防御力、ユニットによっては装甲値を持っています。装甲値にアスタリスクがついているものは防御時のみ効果を発揮します。(つまり敵の効果を打ち消す)さらに次に述べる特殊効果を持ちます。

 随伴部隊は、つけたターンは効果を発揮しません。また、 Towed Equipment属性の随伴部隊は移動時に効果を発揮しません。
 随伴部隊は、ステップ表示の中では通常ステップに混ざっていて、損害を受けた時に随伴部隊の順が来ると、破壊されます。

(1) 砲兵部隊
 赤軍の要です。特にカチューシャの使い勝手はとてもよいです。
 戦闘時に砲兵効果を与えます。野砲は移動後には効果を発揮しません。(Towed Equipment) カチューシャは移動後でも効果を発揮します。
(2) 工兵部隊
 ドイツ軍の要です。
 攻撃時に塹壕を無効化・破壊します。
 渡河攻撃時のマイナスコラムシフトを無効化します。
 塹壕を掘るときに有利になります。
(3) 偵察部隊
 部隊が移動する際に、敵ZOCではない隣接へクスも支配地域になります。(都市、山、橋のない河越えには効果ありません)
渡河移動の際にも、延長移動を行うことができます。
(4) NKVD
 秘密警察と言いますか、督戦隊といいますか、KGBの前身といいますか。赤軍のみ。撤退しにくくなるかわりに、損害は増加します。
(5) 対空砲
 その部隊と、さらに隣接する部隊は航空攻撃をうけなくなるようです。移動後は効果を発揮しません。(Towed Equipment)
(6) 戦車・対戦車
 戦車と対戦車砲、対戦車自走砲があります。特別な効果はありません。

5 補給
(1) 補給切れの効果
 このゲームの補給はとても重要です。補給切れは次の悪影響をもたらします。特に2ターン目以降は深刻です。
補給切れ連続ターン数
効果
抑圧状態のステップが回復しません。
APがありません。(攻撃ができません)一般兵が2、ベテラン兵が1の抑圧を受けます。
APがありません。移動力が1低下します。全てのステップが抑圧を受けます。

 しかし、ZOCは持ち続けるので、補給切れ部隊も軽視できません。

(2) 補給線
  このゲームは補給線が通じていれば補給が通っていることになります。

 ア 線路
  補給線は、補給源から線路でつながっているヘクスには、無限にのびます。あくまでも補給源からの線路で、平原の中途に線路があっても効果はありません。

 イ 線路以外のヘクス
  線路でつながっていないヘクスには、距離がはなれるほど補給量は減っていきます。ゼロ=補 給が切れているヘクスです。補給量が1以上あれば補給が通っています。(補給量にかかわらず効果は同じです。)
  地形や天候にも左右されます。
  河川越しの補給線は、必ず「1」になります。

 ウ 敵支配地域
  敵支配地域には補給線は通せません。つまり、敵の補給を切る行動はとても重要ですし、補給線をおびやかせば、敵の部隊展開を後退させることができます。

(3) 補給線の判定タイミング
  (多分)手番開始時です。

6 抑圧からの回復
  自軍ターン開始時に抑圧状態のステップは、新兵1、一般兵2、ベテラン兵3、エリート4が回復 して通常ステップになります。

7 戦域アクション(Theater Assets)
 シナリオステージに応じて、マップ全体で行うことができるアクションです。司令部の行動と言いますか、そんな感じです。ステージを通して増減はなく、毎ターン使用回数はリセットされます。非常に重要なアクションがそろっていて、この使い方が戦局のカギになることも多いです。

(1) 航空支援
 任意の1へクスに航空攻撃を行います。与える損害は6面体サイコロを振るイメージで、次の通りです。部隊の強弱は一切関係ありませんので、あたりはずれはありますが、うまく使えばなかなか使えます。(実はサイの目4がなかなか強力だったり)

サイの目

-2

-1

0

1

2

3

4

5

6

7

結果

なし

なし

なし

なし


抑圧


抑圧


抑圧


損害


損害


損害

修正は次の通りです。
-1 泥濘、雪
-1 山、森、都市
-1 塹壕
+1 新兵

(2) 兵站
  補給源の補給量を1増加させます。このゲームの補給はとても大事です。
  補給源が複数ある場合、どこを伸ばすか、ということは、どの方面から攻勢をかけるか、ということでもあり、作戦の上でとても重要です。

(3) 架橋・橋爆破
  攻勢シナリオのみのこのゲームの場合、架橋することがほとんどでしょう。
  このゲームの渡河は移動・補給の両面でとてもきついので、架橋もゲームのカギになりえます。場合によっては架橋できる地点を探して部隊を走らせる、ということもあるかもしれません。

(4) 航空補給
 枢軸のみ
 任意の補給切れ部隊を1つ選び、完全補給状態にします。抑圧からの回復も通常の補給が行われたように解決します。この効果もとても強力で、マップによっては航空補給のみに頼って装甲師団を突進させる、ということもできます。補給切れ1ターン目はそれほど深刻ではありませんから、空中補給が「2」あれば、4部隊を補給切れ地域で運用できたりします。
 また、裏技的使い方としては、補給切れ1ターン目のフルステップ部隊がオーバーラン攻撃をし、受けた抑圧を航空補給で回復して攻撃を続行する、ということもできます。(現実的には変なのですが、まあゲームですし)

(5) パルチザン
 赤軍のみ
 任意のヘクスを赤軍支配下地域にします。敵部隊がいるヘクス、敵ZOCには使用できません。また、都市、勝利目標、線路、橋の隣には使用できません。

6 新規部隊・ステップ補充・随伴部隊の添加
  これには、自軍司令部と、国家最高司令部の2つがあります。
(1) 共通事項
 ステップは1度に3ステップまで補充できます。補充されたステップは抑圧状態です。ステップは歩兵ステップ(歩兵・機械化歩兵に使用)と戦車ステップ(戦車師団に使用)に分けられます。
 随伴部隊は1部隊に1つ、つけられます。これまた抑圧状態です。補充するには補給が通じている必要があります。(航空補給は不可です。)

(2) 自軍司令部
 ステージにより独自に部隊、ステップ、随伴部隊を持っていることがありますし、規定ターン後に増援として得られる場合もあります。
 そして、マップ上にある未行動、補給下の部隊を再編成に回すことにより、その部隊のステップを次ターンに使用できるようになります。(1ターンごとに最大5。超過分は次ターンに繰り越し
)随伴部隊も同様です。しかし、随伴部隊付きの部隊は、同時に本隊・随伴部隊の再編成はできません。
 行動済み部隊は、再編成ではなく、「解散」になってしまい、メリットがありませんのでご注意ください。
(3) 最高司令部
 枢軸はOKH、赤軍はスタフカです。
 自軍司令部より豊富にそろっていますが、用いるにはプレステージポイントを消費します。プレステージポイントは、得られた勝利ポイントに応じて得られます。

・・・
7 ボードウォーゲームとの比較

 PCの特徴をよく生かしたウォーゲームだと思います。
 このゲームのAIはそれなりに強いですが、やはり人間よりは弱いです。ということで、シナリオはすべて攻勢シナリオ、しかもいくつか等級があるうちの最高の勝利を目指そうとすると、ターン数がかなり厳しいです。これにこのゲームのシステム、弱ZOC、オーバーランのルール、そして移動と攻撃を自由に組み合わせることができること(この柔軟性はPCの特性を生かしたものでしょう)、もあいまって、とても激しい展開となります。私の感覚としては、ウクライナ’44よりもさらに激しいです。

 ということで、このゲームを「パズル的である」と述べている読者レビューも多いです。移動と攻撃の自由な組み合わせは、本来同時進行であるはずの1つのターンがいくつにも分割している、とも言えますし、パズル的な一面はあります。しかし作戦は一本道ではなく、作戦級ゲームとしての自由度はあると思います。
 そして、このゲーム、直前の移動のみしかやりなおしができません。セーブ&リロードも禁じられており、一発勝負です。(ゲームを中断すると、その続きからの開始になります。)

 ターン数が厳しいことも相まって、初見のマップでどう攻略しようか作戦計画を練るのは至福の時間です。そんなマップが枢軸・赤軍あわせて16個あります。これはなかなか良いゲームだなあ、ゲームに一本の筋が通っているなあ、と思います。

8 ゲームの感想

 このゲーム、オッズはPCが自動的に計算してくれますし、移動範囲も自動で計算してくれます。装甲師団は強い、補給は大事、という理解だけでもなんとかなります。 
 しかしこのゲームの真骨頂は、ルールをある程度理解して、そして自軍部隊を使いこなすところにあると思います。事前にたてた作戦計画がうまく決まった時の快感は、なかなかのものがあります。

 また、私は初見プレイがこのゲームのキモだと感じます。試行錯誤すればいい答えは出ると思いますが、ルールを知ったうえでの一発勝負の緊張感。ゲームシステムもあわせて考えると、それがこのゲームの醍醐味だと思います。
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Dominions5

 1 概要

 ファンタジーターン制ストラテジーです。日本語wikiが極めて充実していますので、ここでは主に私の感想を書きます。


 エリア式のターン制ストラテジーです。戦闘は自動ですが、あらかじめ初期配置およびユニットに対する指示をしておくことができます。


2 ゲームの特徴

 このゲームの最大の特徴は、魔法、神の作りこみと、それを表現する場としての自動戦闘だと思います。


(1) 魔法

 魔法は研究系統として、7系統(Evocation とかAlterationとか) と各国家共通で研究不要のディヴァインの8系統があります。また、研究系統とは別に、魔法には属性として8属性(火や風など)があるという、なかなか複雑な構造になっています。

 魔法は戦闘呪文、都市に対するエンチャント、世界エンチャント、召喚などがありますが、特に充実しているのは戦闘呪文ではないでしょうか。戦闘呪文は戦場で出陣している魔法能力をもった指揮官が唱えます。魔法能力は属性で定められていますので(例えば火能力2、とか)、ここでどの系統の呪文を唱えさせるかに頭を悩ませるわけです。


(2) 国家と神のカスタマイズ

 ゲームを開始し、国家を選択すると、いきなり「神を作れ」と二十種類以上ある神の造形から選ばされます。噴水などの無生物から怪物、巨人、人と並ぶ選択肢を最初に見た時は、カオスだなあ、と思いました。

 初プレイでは途方に暮れそうですが、しかし、神のカスタマイズこそがこのゲームのキモの一つなので、デフォルト設定を用意しなかったのではないかと思います。

 さらに国家も30国くらいありますし、1つの国家にもだいたい十種類以上の兵士や指揮官がいます。ここから使いたい魔法、兵士とあわせて、どういった国にしたいか、軍隊を作りたいか、そこのあたりを考えて、神を作っていくことになるんじゃないかと思います。戦場で使う魔法は基本的にはその国家の魔法使い指揮官に依存しますが、神が魔力をブーストするアイテムを作成して指揮官を強化することや、神自体が戦場で暴れる、という選択肢もあるでしょう。 


(3) 自動戦闘

 この自動戦闘こそが、製作者がプレイヤーにメインで楽しんでもらいたかったことなんじゃないかなあ、と思います。

 このゲームの戦闘は自動ですが、指揮官の場合、最初の5ラウンドは行動を使用する魔法や行動を具体的に指定できますし、その後の行動もおおまかには指示できます。兵士もおおまかな行動は指示できます。この最初の5ラウンド、というのは結構やれることが多くて、魔力を増強してから、大掛かりな呪文を唱えたり、有利な戦闘呪附を唱えたり、といったことができます。


(4) 無常感

 このゲームの根底には何か無常感を感じます。

 例えば戦闘においては、このゲームでは最初の5ラウンドに退却を定めておかなければ、望んで退却をすることができません。退却する時はユニットか軍勢全体の士気が崩壊しているときで、たいていの場合退却はさらに戦場の状況を悪化させ、退却の過程で戦死することもしばしばです。そして淡々と次のターンが始まるのです。

 しかしそもそも戦場というものはそういうものかもしれません。


3 まとめの感想


 他にDominionの概念なども独特で興味深いのですが、このゲームの、国家、神、魔法まわりの作りこみは、背景となる物語を含めてすさまじさを感じますし、バランスもとれているように見えます。一方、グラフィックは弱いですし、外交まわりなどばっさりと簡略化している部分もあります。強い製作者の意思が垣間見れるような作品です。

Triumph & Tragedy

1 概要
 第二次世界大戦期の欧州戦線(北アメリカ、北アフリカ、インドを含みます。)の3人用ウォーゲームマルチです。エリア式、カードドリブン、積み木、6出ろ方式です。
 期間は1936年から1945年までで、1年の作戦行動は3ターン(春・夏・秋)です。

 本作が画期的だと感じることは、枢軸(ドイツ・イタリア)、西側(イギリス・フランス・アメリカ)、東側(ソ連)を完全別陣営とし、勝利条件も別としたところです。つまり、1930年代からの、資本主義国家群、共産主義国家群、全体主義国家群の覇権争いという切り口でとらえたと思われます。
 戦争は一切起こらないかもしれませんし、西側が東側に戦端を開く、といった状況も起こりえます。
ただ、地政学的にドイツが戦端を開く展開がオーソドックスな展開だと思われますが。

 プレイ時間はボードゲームギークでは4時間となっていますが、私のプレイだとだいたい8時間程度かかっています。
 このゲームに関しては、ルールを細かく書くことはせず、私が感じた感想を書いていきます。

2 ゲームの特徴(私の感想)

 (1) リソースの分配
 このゲームのリソースは生産力で、1ポイントを1枚の作戦カード、1枚の投資カード、1ステップの軍ユニットのいずれかに変換できます。

 同じ作戦カード3枚で中小国を平和併合できます。(基本的に1枚のカードに2国が書かれています。) 作戦カードは作戦ターンに1枚出すことでその季節に行動できるようになります。

 投資カード2から3枚で工業力を1上昇させることができます。同じ投資カード2枚で技術を1つ開発することができます。(基本的に1枚のカードに2つの技術が書かれています。)

 この塩梅がなかなか良い感じです。さらに軍ユニットは1年に1つの部隊につき1ステップしか増強できませんので、強力な部隊を作るには前もって計画しておかないとなりません。中小国への併合の働きかけにしても、平和併合時にはその中小国分の軍ユニットもついてきますので、うまくいけば軍ユニットを作成する以上のリターンが得られますが、他陣営が妨害することもできるため、結局何も得られない、といった状況も起こりえます。

(2) 作戦まわり
 当該季節の作戦カード1枚を使用することによりその季節に作戦行動をとれるようになりますが、春のカードは作戦数が少なく、夏のカードは作戦数が多く、秋のカードはその中間となっています。また、行動の順番は作戦カードごとにふられているアルファベットの早い順からとなりますので、意図的に準備すればダブルムーブも狙えます。

(3) 戦闘まわり
 積み木システムでよくある、同兵科の場合は防御側先撃ち、ステップ数のサイコロをふり、それぞれの出目が規定の値以下の場合に1ステップダメージを与える、というものです。
 しかし、宣戦布告直後の1ターンは同兵科攻撃側先撃ちとなり、また、該当する技術を開発している場合(たとえば戦車軍団の場合「重戦車」技術)同兵科でも攻撃側先撃ちとなります。技術は秘匿して開発できるので、開戦したところ技術開発により状況が一変するということも起こりえます。
 また、陸軍は敵支配エリアと混戦状態エリアには、地形ごとに移動可能ユニット数が定められていて、これも作戦を計画するうえで重要な要素になっています。

(4)それぞれの陣営の色合い

a 枢軸
 ゲーム自体のイニシアチブは枢軸が握っています。これは、基本的にゲーム開始時の部隊数はPOP(人口)数、作戦カード数は工場数なのですが、これが枢軸は2倍もらえるからです。また、序盤は生産力も優位にたっています。しかし、その優位性は徐々に薄れていく上、枢軸は地理上、西側と東側に挟まれていますので、そのまま平和的に事を進めて、枢軸がゲームに勝てそうな展開になると、両側からの外交・戦争両面での干渉が厳しくなります。
 では、軍事的に仕掛けるのか?ということですが、外交的にも、部隊編成的にも、技術的にも、先を見越した計画が必要となります。何年に、どの方向に、何を目標として攻撃を仕掛けるのか?(サドンデス勝利か、経済的果実か)という計画を、できれば第一ターンに作戦カード、投資カードを受け取った(生産)した段階で建てておくことがよいのではないか、と思われます。
 より簡易な方法として、ゲーム開始前にどのような作戦計画を建てるかを決め打ちする手もありますし、ある程度の作戦計画を立てたうえで、初期作戦カード、第一ターンの作戦カードおよび投資カードをみて計画を修正する、というやりかたもあるでしょう。
 ただ、枢軸は、総花的に陸軍も海軍も整えて、西側も東側も大攻勢をかけるということはリソース的に無理ですので、限られたリソースをもとに何を狙うのか、ということがとても重要になります。

b 西側・東側
 ゲーム初期のイニシアチブは枢軸が握っているので、当初はそれに対するカウンターを第一に考えることになります。一方に枢軸が戦端を開いた場合、反対側の陣営は相対的に有利になりますが、そのまま枢軸に勝たれてしまってはなりません。必要に応じて状況に介入する必要が出てきます。
 また、枢軸の軍事攻勢を失敗させれば勝つ、というわけでもありません。途中まで枢軸を共同で攻撃していた両陣営も、最後に勝つのは1人です。はたしてそのまま枢軸を滅ぼしてしまってよいのか?という状況が生まれます。となると、枢軸をつぶさず、相手陣営に対する防波堤として生かしておいたほうがよいのではないか?というスタンスも十分ありえます。こうなると枢軸も単に生かされているだけでなく、どうにかして勝つ方法を模索することになり、マルチゲーム特有の、いろいろな駆け引きが生まれてきます。

(5) 勝利条件
 このゲーム、モスクワ・レニングラード・バクー・ロンドン・パリ・デリー・ルール・ベルリン・ローマのうち、自陣営以外の都市2つを占領するとサドンデス勝利です。
 また、VP25点、原爆4段階完成でもサドンデス勝利です。

 一方、サドンデス勝利を得られない場合、最終のVP勝負となります。VPは最後の生産力に原爆開発、「平和の配当」点を加えた値です。このうち、原爆と平和の配当は秘匿情報です。ここら辺の微妙な塩梅が、ゲーム終盤には影響を及ぼすこともあり得ます。
 また、平和状態の陣営は、毎年「平和の配当」チットをもらえるため、ある陣営がVP25点勝利を満たしそうな場合などは、どうしても開戦しないとならないという事態も起こりえます。


3 まとめの感想

 とまあ、そんな感じで、計画がとても大事な、なかなかに良いウォーゲームマルチだと思います。  正規軍同士が正面衝突するということも、私がより楽しめる理由です。(コインシリーズも良いのではありますが。)難点としては、枢軸の難易度が高いこと、3人マルチなので1人の脱落が決定的となっても途中でゲームを抜けられないこと、それからマルチの常として、思考形態が全く異なるプレイヤーだと摩擦が生じかねないと思われることでしょうか。

ターン制ストラテジー紹介

非ターン制ストラテジーゲーム

戦略級ボードウォーゲーム紹介

作戦級ボードウォーゲーム紹介

ゲームの周辺情報

非ウォー ボードゲーム

パソコンゲームの考察

ボードゲームの考察

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kapukul

Author:kapukul
・カテゴリを再編成しました。
・末尾に目次を表示しました。(めぼしいカテゴリのみ)
2016/5/17更新

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