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Triumph & Tragedy

1 概要
 第二次世界大戦期の欧州戦線(北アメリカ、北アフリカ、インドを含みます。)の3人用ウォーゲームマルチです。エリア式、カードドリブン、積み木、6出ろ方式です。
 期間は1936年から1945年までで、1年の作戦行動は3ターン(春・夏・秋)です。

 本作が画期的だと感じることは、枢軸(ドイツ・イタリア)、西側(イギリス・フランス・アメリカ)、東側(ソ連)を完全別陣営とし、勝利条件も別としたところです。つまり、1930年代からの、資本主義国家群、共産主義国家群、全体主義国家群の覇権争いという切り口でとらえたと思われます。
 戦争は一切起こらないかもしれませんし、西側が東側に戦端を開く、といった状況も起こりえます。
ただ、地政学的にドイツが戦端を開く展開がオーソドックスな展開だと思われますが。

 プレイ時間はボードゲームギークでは4時間となっていますが、私のプレイだとだいたい8時間程度かかっています。
 このゲームに関しては、ルールを細かく書くことはせず、私が感じた感想を書いていきます。

2 ゲームの特徴(私の感想)

 (1) リソースの分配
 このゲームのリソースは生産力で、1ポイントを1枚の作戦カード、1枚の投資カード、1ステップの軍ユニットのいずれかに変換できます。

 同じ作戦カード3枚で中小国を平和併合できます。(基本的に1枚のカードに2国が書かれています。) 作戦カードは作戦ターンに1枚出すことでその季節に行動できるようになります。

 投資カード2から3枚で工業力を1上昇させることができます。同じ投資カード2枚で技術を1つ開発することができます。(基本的に1枚のカードに2つの技術が書かれています。)

 この塩梅がなかなか良い感じです。さらに軍ユニットは1年に1つの部隊につき1ステップしか増強できませんので、強力な部隊を作るには前もって計画しておかないとなりません。中小国への併合の働きかけにしても、平和併合時にはその中小国分の軍ユニットもついてきますので、うまくいけば軍ユニットを作成する以上のリターンが得られますが、他陣営が妨害することもできるため、結局何も得られない、といった状況も起こりえます。

(2) 作戦まわり
 当該季節の作戦カード1枚を使用することによりその季節に作戦行動をとれるようになりますが、春のカードは作戦数が少なく、夏のカードは作戦数が多く、秋のカードはその中間となっています。また、行動の順番は作戦カードごとにふられているアルファベットの早い順からとなりますので、意図的に準備すればダブルムーブも狙えます。

(3) 戦闘まわり
 積み木システムでよくある、同兵科の場合は防御側先撃ち、ステップ数のサイコロをふり、それぞれの出目が規定の値以下の場合に1ステップダメージを与える、というものです。
 しかし、宣戦布告直後の1ターンは同兵科攻撃側先撃ちとなり、また、該当する技術を開発している場合(たとえば戦車軍団の場合「重戦車」技術)同兵科でも攻撃側先撃ちとなります。技術は秘匿して開発できるので、開戦したところ技術開発により状況が一変するということも起こりえます。
 また、陸軍は敵支配エリアと混戦状態エリアには、地形ごとに移動可能ユニット数が定められていて、これも作戦を計画するうえで重要な要素になっています。

(4)それぞれの陣営の色合い

a 枢軸
 ゲーム自体のイニシアチブは枢軸が握っています。これは、基本的にゲーム開始時の部隊数はPOP(人口)数、作戦カード数は工場数なのですが、これが枢軸は2倍もらえるからです。また、序盤は生産力も優位にたっています。しかし、その優位性は徐々に薄れていく上、枢軸は地理上、西側と東側に挟まれていますので、そのまま平和的に事を進めて、枢軸がゲームに勝てそうな展開になると、両側からの外交・戦争両面での干渉が厳しくなります。
 では、軍事的に仕掛けるのか?ということですが、外交的にも、部隊編成的にも、技術的にも、先を見越した計画が必要となります。何年に、どの方向に、何を目標として攻撃を仕掛けるのか?(サドンデス勝利か、経済的果実か)という計画を、できれば第一ターンに作戦カード、投資カードを受け取った(生産)した段階で建てておくことがよいのではないか、と思われます。
 より簡易な方法として、ゲーム開始前にどのような作戦計画を建てるかを決め打ちする手もありますし、ある程度の作戦計画を立てたうえで、初期作戦カード、第一ターンの作戦カードおよび投資カードをみて計画を修正する、というやりかたもあるでしょう。
 ただ、枢軸は、総花的に陸軍も海軍も整えて、西側も東側も大攻勢をかけるということはリソース的に無理ですので、限られたリソースをもとに何を狙うのか、ということがとても重要になります。

b 西側・東側
 ゲーム初期のイニシアチブは枢軸が握っているので、当初はそれに対するカウンターを第一に考えることになります。一方に枢軸が戦端を開いた場合、反対側の陣営は相対的に有利になりますが、そのまま枢軸に勝たれてしまってはなりません。必要に応じて状況に介入する必要が出てきます。
 また、枢軸の軍事攻勢を失敗させれば勝つ、というわけでもありません。途中まで枢軸を共同で攻撃していた両陣営も、最後に勝つのは1人です。はたしてそのまま枢軸を滅ぼしてしまってよいのか?という状況が生まれます。となると、枢軸をつぶさず、相手陣営に対する防波堤として生かしておいたほうがよいのではないか?というスタンスも十分ありえます。こうなると枢軸も単に生かされているだけでなく、どうにかして勝つ方法を模索することになり、マルチゲーム特有の、いろいろな駆け引きが生まれてきます。

(5) 勝利条件
 このゲーム、モスクワ・レニングラード・バクー・ロンドン・パリ・デリー・ルール・ベルリン・ローマのうち、自陣営以外の都市2つを占領するとサドンデス勝利です。
 また、VP25点、原爆4段階完成でもサドンデス勝利です。

 一方、サドンデス勝利を得られない場合、最終のVP勝負となります。VPは最後の生産力に原爆開発、「平和の配当」点を加えた値です。このうち、原爆と平和の配当は秘匿情報です。ここら辺の微妙な塩梅が、ゲーム終盤には影響を及ぼすこともあり得ます。
 また、平和状態の陣営は、毎年「平和の配当」チットをもらえるため、ある陣営がVP25点勝利を満たしそうな場合などは、どうしても開戦しないとならないという事態も起こりえます。


3 まとめの感想

 とまあ、そんな感じで、計画がとても大事な、なかなかに良いウォーゲームマルチだと思います。  正規軍同士が正面衝突するということも、私がより楽しめる理由です。(コインシリーズも良いのではありますが。)難点としては、枢軸の難易度が高いこと、3人マルチなので1人の脱落が決定的となっても途中でゲームを抜けられないこと、それからマルチの常として、思考形態が全く異なるプレイヤーだと摩擦が生じかねないと思われることでしょうか。
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Julius Caesar

ユリウスカエサル
 コロンビアゲームズのボードウォーゲームです。
 カエサルとポンペイウスの戦いを地中海全域で争うゲームです。
 このゲーム、初めてプレイした時に、ウォーゲームとして、とてもフシギなゲームだなあ、と思いました。その後何回かプレイしてみて、今では、非常に完成度が高く、なかなかに奥が深い、面白いゲームだと思っています。

<ゲームのテーマ:名将激突>
 比較的均質な軍を、「ハゲの女たらし・ローマが生んだ唯一の創造的天才」カエサルと、「マグヌス(偉大な)」ポンペイウスが争った戦いです。今でこそカエサルの名声が高いですが、開戦前は、ポンペイウスの方が将軍としての名声は高かったんじゃないかなあと思います。
 比較的均質な軍同士の戦いを扱ったウォーゲームというのは、かなり珍しい気がします。大体は、質のドイツ軍、量のソ連軍、みたいな感じで、非対称なことが多いです。

<ゲームの概要:積み木システム>
 ポイントトゥポイントのカードドリブン、そして「積み木」システムです。ユニットは木のコマで、相手におもて面が見えないように置きます。ユニットは上にした辺でステップ数を表現します。つまり、相手プレイヤーには、ユニットの数しかわからず、ユニットの種類、ステップ数はわからないわけです。コロンビア社はこの簡単に戦場の霧を再現する「積み木」システムが得意で、数多くの「積み木」システムのゲームを出しています。

<ゲームの流れ:とてもシンプル>
 基本的な流れは、
1 ラウンド開始時に1枚のカードを出す。大きい作戦値のカードを出したほうが先手番(同じ作戦値の場合はカエサル先手番)
2 カードに書かれている作戦値(1から4)分のスペースを活性化(そのスペースのユニット全てを移動できる。)する。敵を攻撃する場合は1スペース、攻撃しない場合は2スペース動かせる。(ただし、上陸作戦は別ルール)
3 カードに書かれている募兵値分のステップを増やす。
4 先手が2、3をプレイしたら、後手が2,3をプレイ。最後に両軍ユニット混在スペースで戦闘
5 次のラウンド。
というもので、とてもシンプルです。

 これを5ターン×5ラウンド(合計25ラウンド)行い、ゲームの最後にVPを相手より多く持っている方が勝ち、です。VPは、基本的には「ローマ」「アレキサンドリア」など、特定のスペースを保持することで得られます。(VPは累積していきませんので、基本的にはゲームの最後に持っていればよいです。)

<ゲームの特徴:実はかなり個性的>
 初めに「フシギ」だと思ったのは、通常のウォーゲームでは見られない特徴が多いからだと思いました。

1 本拠地がない。
 このゲーム、プレイヤーの本拠地がありません。軍の初期配置(ユニット数)が決まっているので、初期配置時点では、カエサルはガリア(現在のフランス)に軍が多く、ポンペイウスはイベリア半島やイタリア南部、シリアなどに分散しています。でも、本拠地がないので、「絶対に守らなくてはならない場所」というものがありません。ローマですら、VP2点のスペースにすぎません。

2 戦闘は基本的には防御側が有利だが、カードやダブルムーブなどでひっくり返る。
 戦闘は、6出ろシステム(目が小さいほうがいいですが)なんですが、騎兵ユニットは先に攻撃できます。仮にレギオン同士であれば、防御側が先にサイコロを振り、損害を適用してから攻撃側がサイコロを振ります。また、6出ろシステムなので、コマの数が多いほうが基本的には強いのですが、戦闘する際には1スペース、移動のみなら2スペース動けますので、相手が多くのコマで隣接してきたら、こちらもコマの数を増やせばよい、ということで、基本的には防御側が有利です。ところが、イベントカードで先制攻撃ができたり、後述するダブルムーブが起こりやすく、結構頻繁にひっくり返ります。

3 ダブルムーブが起こりやすい。
 ダブルムーブというのは、2回続けて移動することです。あるラウンドで後手をとって、次のラウンドで先手を取れば、2回続けて動けます。ダブルムーブの一番わかりやすい活用方法としては、最初の移動で、相手のコマに隣接、次の移動で相手のコマのスペースに入る→戦闘発生が起こせるのです。つまり、攻撃対象に援軍が送れない配置(つまり隣接しているコマがない)の場合、数的優位をつくることができます。(スペースごとの移動数制限などはありますが。)ほかにも、狙って2回連続で動ける場合は、かなり作戦の幅が広がります。
 このゲーム、ラウンドごとにカードを1枚ずつだして、作戦値の大きいカードを出したほうが先番なんですが、同じ作戦値の場合はカエサルが先に動きます。つまり、カエサルは、あるラウンドで後番を取れれば、高い確率でダブルムーブが起こせます。一方のポンペイウスは、後番になりやすいので、先番がとれるカードさえ持っていれば(一番楽なのはイベントカードか、1枚しかない作戦値「4」のカードです。)、ダブルムーブが起こせます。

4 カードの強弱が比較的小さい。
 基本的に作戦値が大きいカードは募兵値が小さく、作戦値が小さいカードは募兵値が大きいです。
 とはいえ、作戦値「2」のカードには、募兵値が「3」「2」「1」のカードがありますので、上位互換、というカードはあります。しかし、作戦値「1」募兵値「3」のカードと、作戦値「3」募兵値「1」のカードを比べた場合、一概にどちらが強いとは言えません。
 また、イベントカード(7種類)は常に先手番が取れ、第一ラウンドのみ先制攻撃など、個性的で、強力な効果を持っていますが、その代わりに活性化できるスペースは基本的には「1」(つまり作戦値「1」相当)で、募兵値ゼロです。つまり、ツボにはまれば劇的な効果を発揮しますが、通常カードのほうが汎用性が高いわけです。

5 両軍の戦力がかなり均質
 初期でカエサル軍が14ユニット、ポンペイウス軍が16ユニットです。ユニットの総数も30個ずつ(募兵値からいって全部作ることはできませんが)で、コマの戦力値に特徴はありますが(カエサル軍は戦闘力高め、ポンペイウス軍はステップ数多め)、かなり均質です。

6 艦隊ユニットと上陸作戦がかなり使い勝手がいい。
 このゲーム、陸上はポイントトゥポイントなんですが、海上は大き目のエリア制です。上陸作戦も比較的しやすいルールなので、陸上をゆっくり動いている間にすばやく上陸作戦されたりします。
また、艦隊ユニットで、沿岸陸上スペースを攻撃することもでき、作戦の幅を広げています。
しかし、艦隊ユニットは5個しかない(陸上ユニットは25個)ので、使い方が難しいです。

<このゲームを面白いと思った部分:抜群の戦略性>
 第一印象はかなり地味に映ります。それが、徐々に良さを感じてきました。
 まず、5ターントータルでの大戦略があります。コマの数には限りがあり、全ての方面で攻勢を取ることはできません。どこで押して、どこで引くか、というのはかなり重要です。状況は刻々と推移します。
 次に、毎ターン、カードを6枚配られ、事前に1枚を捨てて5枚プレイするんですが、1ターンごとの、配られたカードをどのように組み合わせて使うか、という中規模戦略も醍醐味の1つです。イベントカードは個性的ですが汎用性は低いため、盤面をにらみながら、どのような流れで使用するか、あるいはいっそ除外するか、という判断も重要です。
 そして、盤面もよくできていて、複数スペースから攻めやすいスペースや、逆に攻めにくいスペースなどがあり、海上移動も効果的なため、シンプルなルールでありつつテクニカルな動きもできます。
 これらの要素が絡み合って、とても面白いゲームになっています。プレイ時間も、3時間前後で終わるでしょう。

 そして、カエサルとポンペイウス、比較的均質であるようにみえつつ、プレイしてみると差異が際立ってくるのです。

fire in the lake 初プレイ

GMTのベトナム戦争を題材にしたこのゲーム、初プレイです。

いやー、いいゲームです。非対称戦争をテーマにしたゲームとしては、一番面白いかもしれません。 
たしか1年8ターン、ショートシナリオ3年で24ターンあるんですが、実質1ターンには1人くらいしかアクションができない(実際はアクションできるのは2人なんですが、1人はたいていイベントをプレイします)ので、実質6ターンみたいなもので、充分1日で終わります。というか、早い人なら3時間くらいで終わるでしょう。

勢力は北ベトナム、南ベトナム、ベトコン、アメリカです。
何が面白いかというと、まずは非対称戦争なので、各国できる行動が違うのです。
基本的に通常作戦4つと特殊作戦3つがあり普通のアクションだと、通常作戦4つのうちから1つ、特殊作戦は選んだ通常作戦により縛りがありますが、3つのうちから1つを選びます。

この作戦が各国まるで違うんです。一例をあげると、アメリカ軍は基本軍隊の徴兵ができない代わりに、特殊作戦「空輸」を使用して、どこにでも瞬時に軍隊を運べます。しかも運ぶ軍隊の量に制限なし。(かき集められるスペース数に制限はありますが)どういう空輸なんじゃ、と突っ込みたくなりますが、それはゲームということで。

ベトコンは「腐敗」という特殊作戦があり、南ベトナムの駒を1個、ベトコンゲリラ駒に置き換えることができるという、いやらしい行動がとれます。さすが南ベトナム、腐敗しまくりんぐです。

ゲリラ活動にいそしむベトコン、直接打撃、少数精鋭神出鬼没のアメリカ軍、腐敗しているが数だけは多い南ベトナム、そして、大量動員ができて、ホーチミンルート使いたい放題の我らが北ベトナム(いや、単に私がプレイしたって、だけですが)

・・・
このゲーム、ランダム要素がとても少ないんですよね。ランダム要素はイベントカードくらいのものです(戦闘解決時にサイコロ振ることもありますが、基本的には戦闘解決もサイコロは振りません)
イベントカードシステムもこのゲームのミソの1つで、イベントカードは、次のターン分があらかじめめくられて、それを見ることができます。イベントカードには、大体イベントが二種類、そして行動順番がかかれています。アクションできるのは2人だけ。そのターンにアクションすると、基本的に次のターンはアクションができません。ですので、基本的には2ターンに一度かならずアクションができるわけです。
ただ、アクションは、イベント発動、作戦、の片方で、第二プレイヤーは基本的には第一プレイヤーが選ばなかったアクションを実行できる、という感じです。(1箇所のみの限定作戦、という選択肢もありますが。ある意味パスグロの自動オペレーションみたいな感じですね)

・・・
マップも特徴的で、南北に細長いカンボジア半島の西に、ラオス、カンボジアがくっついています。何を書くそう、我らが北ベトナムの策源地はこのラオス、カンボジアだったりします。そうか、だからアメリカはカンボジア侵攻をしたのかー。
そして、北ベトナムはこのラオス、カンボジアから神出鬼没にベトナムに攻め込むことができたりもします。(お金がかかりますが)

・・・
勝利条件も全プレイヤー全く異なります。特徴的なのは、アメリカは撤兵させないと勝利ポイントが厳しいというところです。もちろん、他のも稼ぐ手段がありますが。
勝利条件が微妙にバッティングしていつつ、完全にはバッティングしていないこともあり、いわゆる「勝利者投票」ゲームに陥ることは回避しているようです。

・・・
勝利のための原動力はいくつかありますが、主に軍隊による支配と、民衆による支持にわかれています。

・・・
そんなに難しいルールではありませんが、よく考えられていて、独自性の高い要素もてんこ盛り、です。

さすがはボードゲームギーク2014ウォーゲーム部門NO1なだけはあります。

また、ドイツゲーマーの方にも、「いわゆる相手を殴る」ことに抵抗のない方であれば、充分楽しめる仕上がりといえると思います。

実際、このゲームはドイツゲームとウォーゲームのハイブリッドといえるかもしれません。どちらの色合いが強いかといえば、7対3でウォーゲームって感じですが。

・・・
今回のゲームは、我が北ベトナム軍がテト攻勢をかける寸前(サイゴン正面に30ユニット近くを集結)したところで、私の時間切れで、3人プレイに引き継いでいただきました。さて、結末はどうなったんだろう??

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Star Borders: Humanity 2nd edition

 ビクトリーポイント社のStar Bordersを初プレイしました。

 このゲーム、可変モジュールのポイントトゥポイントSF戦略級艦隊恒星間ウォーゲームです。(言葉をつなげすぎてわかりにくいですが、そういうことです。)

 戦略級ですが、ビクトリーポイントらしく小品で、1〜2時間で終わります。

 システムはシンプルです。
 アクションポイントをこのゲームではLPといい、恒星1個所有ごとに1LPが手に入ります。帝国は6LPが上限、同盟は9LPが上限です。移動(ユニット活性化)は、1ユニット1LPで、移動力は1のユニットと2のユニットがあります。ユニット活性化は、同じユニットを何回も行うことも可能です。(戦闘は移動終了後に1回のみ)

 LPは使いきり。LPを半分(端数切捨て)使うことにより、カードをランダムで1枚入手することができます。このカードはそれなりに強力な効果を持っていて、大体のカードは永続効果です。

 戦闘は、攻撃力と防御力があり、強いユニットで5−4、弱いユニットで1−2くらいです。
攻撃力以下のサイの目が出れば1HIT、1HITを受けた場合、防御側は防御するユニットを選び、防御力未満のサイの目が出ればノーダメージ、防御力と同じ目が出ると撤退、防御力を上回る場合は1ダメージです。

 ミソなのは、攻撃力の計算で、2つ以上のユニットで編隊を作って、攻撃力を合算できる点です。合算計算式は、攻撃力の合計+ユニット数−1です。つまり、攻撃力0、1、1の3ユニットで編隊を組むと、攻撃力は、2+3−1=4となります。

 攻撃は防御側が行い、次に攻撃側が行います。

 ユニットには、1ステップユニットと2ステップユニットがあります。

 ユニット修理は1ユニット1LP、潰されたユニットの再建は、イニシャルコスト1+ユニット数LPです。ユニットの再建以外に新たにユニットを作ることはできません。(プレイヤーは方面軍司令官なのです)

 ほかに要塞、爆撃のルールもあります。

 先攻・後攻は、サイコロをふって大きいほうが先攻、小さいほうが後攻、同じ場合は同盟が先攻・後攻を選べます。
・・・
 マップはせまく(せいぜい20スペース程度です)根幹となるルールはこんな感じでかなり平易なんですが、なかなか考えどころがあります。一番の考えどころは、カードを引くか、アクションポイントに回すか、です。

 ターン数も最長11ターンと、短くまとまっています。

 移動は移動で、1ユニットが何度も活性化できるのでとても悩ましいです。

・・・
 シナリオを二つやりましたが、これは、なかなか面白いです。考えどころが結構あるし、雰囲気も出てます。

・・・
 カードによって展開も異なるし、拡張も出ているようですし、シナリオもいくつもあるので結構何回も遊べそうです。しかし、このゲーム、シナリオの調整が大変じゃないかな・・・カードもいっぱいあるし・・・

 少々運の要素は強いですが、それが逆に展開に幅を持たせています。

for the people

for the people
GMT社製 クロノノーツ社などで2006年版「for the people2」を新品で売っています。中古では、2000年版「for the people」も扱っているようです。 http://www.fujistamp.com/chrono/ 2009年11月28日現在のクロノノーツ社の和訳アーカイブスの和訳ルールは2000年版です。私は2000年版しかやっていません。2006年版ではかなり変更が加えられたようです。どちらが良いかはわかりませんが(一般的な話として、新版が必ずしも良いとは限りません。)、これからの記述は、2000年版のものです。

私が思う(といっても、当然私がやった中で、ですが)現時点におけるカードドリブン戦略級の最高峰ゲームです。ポイント・トゥ・ポイント、ファイヤーパワー(といいますか、指揮官能力パワーと言いましょうか)方式、基本1部隊移動。アメリカ南北戦争を、西はテキサス州まで、という範囲で、ほぼ全域で扱ったゲームです。システムは、ハンニバルに似ています。が、ハンニバルより軍編成のルール、海上移動ルール、河川のルールなどが複雑です。そして、「相手の戦意を下げること」が勝利条件になっています。

<ゲームの特徴> このゲーム、要素が多いので、大ざっぱに特徴を紹介します。
全てが戦線
ハンニバルは主に3エリア(イタリア、エジプト、スペイン)、パスグロは5戦線でしたが、このゲームは、南軍首都リッチモンドから見て大体マップの270°が継ぎ目なしに戦線です。たしかに、ハンニバルのようにブロックに分けることもできますが、ハンニバルよりも、マスの数が多く、移動に時間がかかるのです。なおかつ、南軍の海上移動能力はほぼ皆無。ハンニバルのように、「ローマ軍がエジプトにわたったから、カルタゴ軍も海上移動でエジプトへ」ということができないのです。南軍は、えっちらおっちら陸路を走り回るしかないのです。


主要戦線は2つ
とはいっても、主要戦線は二つです。
一つは(北の)東部戦線です。南北戦争といいますのは、北軍(USA)の首都ワシントンと南軍(CSA)の首都リッチモンドが危険なくらいに接近しているのです。じゃあ、直接攻撃をかけないのか?ということになるのですが、、、この時代の戦争は、ライフル銃の開発などにより、防御側が有利になってきた時代です。(この流れは塹壕の強化や機関銃等の導入により、第一次世界大戦で頂点に達すると思われます。)互角に近い指揮官で攻撃をすると、基本、防御側が勝ちます。そして、大会戦の勝敗は士気に影響を与えます。もちろん、直接攻撃も、一つの作戦だとは思いますが、、それが全てだとは言えないと思います。
二つ目は(北の)西部戦線です。史実では戦争中盤ころから北軍シャーマンと南軍ジョー・ジョンストンが火花を散らしたところですが、、このゲームだと比較的序盤から先端が開かれる可能性があります。
残りの陸路で接していない南軍の海岸線は柔らかい内腹です。


戦闘がとてもブラッディ。ターン終了時損耗も大出血。
戦闘は、互角に近い指揮官が戦えば、互いに大きな損害(最大で15戦力で、最大損害が6ですので、戦力の3割程度)が生じます。勝ったから追撃戦のような勝者ボーナスがある、というわけではありません。ただ、両軍合計20戦力以上がぶつかる大会戦の勝敗は士気に影響を及ぼします。最善の結果を出し合うと、防御側が勝ちます。
ターン終了時の損耗も大きく、3戦力スタック以上で自動的に1損耗、7戦力スタック以上で自動的に2損耗します。当時は炭素菌などがはやり、戦場における病死も非常に多い悲惨な状況だったようです。

 
士気の高さが勝敗を決める。
このゲームの際立った特徴です。アメリカは民主主義の国。特に北軍は大統領選挙があるから大変です。士気が下がりすぎると、、大統領選挙に負けます。=ゲームも敗北です。多分、講和しちゃうんでしょうね。士気は下がることは多くても、上がることはなかなかありません。プレイヤーの士気も下がります。(笑)

<私の感想>
このゲーム、パスグロとは別な方向性でバランスが絶妙と言いますか、微妙といいますか、刃の上に立っているような感覚です。ですので、サドンデスは結構起きます。ただ、最終ターンまで行けば、多分12時間コースくらいです。(なれればもう少し早いかもしれませんが、考えどころが多いのです。)私は10回以上プレイしているのですが最適解を見つけていません。
私の個人的感想としては、、最初のうちはこのゲームをやっていると、面白さよりも、精神的苦痛が大きかったです。(兵士は勝手に減っていくは、士気は下がるは、爽快な大勝利は得られないは、、でプレイヤーの士気も下がる、下がる)ですが、、システムをかなりの部分で理解し、戦略、戦術をおさえ始めると、、、今度はすごく面白いゲームに思えてきました。何せ、最適解が見つかってません。(見つかっている人もいるかもしれませんが)そして、270°が戦線、海上移動や河川移動もあり、なんと戦略の自由度が高いことか。高い難易度(ルールがとてつもなく難しいということではなく、考えどころが極めて多いということです。)を誇り、そして自由度と独自性(戦意システムなど)を誇ります。かつ、どちらが有利とも言い難いバランス。私がプレイした戦略級カードドリブンのなかでは、挑戦しがいのある、最高のゲームだと思います。とはいえ、いきなりボードウォーゲームを始める人がやるにはおすすめできませんし、私も、「よし、やるぞ」と気合を入れないとできないゲームです。少なくとも毎週やるなんてことはできません。(笑)ハンニバルなら毎週でもできるのですが。つまり、万人受けするか?と言われると、、ハンニバル、パスグロよりは厳しいかもしれません。

例によって、私がとあるところで書いたものの抜粋です。(おぼえがき程度ですが)重複箇所もありますが、ご了承くださいませ。ただ、非才のため、とてもこのゲームの魅力を語りつくせたとはいえないところが残念です。

1 勝利条件
 勝利条件は他にもありますが、主なものとしては、北軍は南軍の戦意をゼロまで下げれば北軍サドンデス勝利。 南軍としては、戦意が北軍の2倍になれば、サドンデス勝利。最終的には南部11州+境界州3州のうち北軍が10州をとれれば、北軍勝利です。

2 戦意の増減
 ・11州ある南部州を脱落させるごとに。
・資源集積スペースの破壊
 ・海上封鎖(毎ターン判定があるので、ボディブローのように効いてくる)
 ・イベント「奴隷解放宣言」をして、毎年秋に。
 ・大規模戦闘(両軍合わせて20戦力以上)の結果
 ・ミシシッピ川ルートの切断
 ・南軍の北部侵攻(北軍の士気が下がり、南軍の士気があがる)
 ・イベントカードのプレイ

3 戦力補充
 ・北軍は基本18。
 ・南軍は当初13。海上封鎖や、南部州の脱落により、1ずつ減少。

4 戦力集積
 ・北軍は鉄道網の発達により、15。
 ・南軍は鉄道網が貧弱なので、7。

5 戦力損耗
 ・1スタックにつき、6戦力以上で、毎ターン2戦力失われる。→戦わずして、失われる戦力が極めて大きい。(当時不衛生な軍隊は炭素病をはじめ疫病ははやるは、脱走ははやるは、でテンテコマイ)

6 戦闘の特徴
 ・大規模戦闘で、最善の将軍同士が戦うと、かなりの確率で防御側が勝つ。(当時ライフルの精度が飛躍的に上昇していた)
 ・損害は2対1以上にほとんどなり得ない。
 ・上記二点から、むやみに戦闘を仕掛けると、戦意も下がってボロボロに。

7 制海権
 ・海も川も北軍が握っている。

8 運命の変わり目 (あくまでも私の個人的感想です。)
 ・3ターンまで 若干北軍優位 若干の兵力差で
 ・4から6ターン 南軍優位 4ターン目にリー登場、5ターン目にジャクソン登場。
 ・7ターンから10ターン 拮抗状態 7ターン目グラント登場。10ターン目シャーマン登場。しかし、騎兵指揮官は2人のみ。で使えず。
 ・11ターンから13ターン 北軍優位 北軍に待望の第三の騎兵指揮官であるシェリダン登場。将軍の質的に互角となり、戦力差で北軍優位

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kapukul

Author:kapukul
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・末尾に目次を表示しました。(めぼしいカテゴリのみ)
2016/5/17更新

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