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Julius Caesar

ユリウスカエサル
 コロンビアゲームズのボードウォーゲームです。
 カエサルとポンペイウスの戦いを地中海全域で争うゲームです。
 このゲーム、初めてプレイした時に、ウォーゲームとして、とてもフシギなゲームだなあ、と思いました。その後何回かプレイしてみて、今では、非常に完成度が高く、なかなかに奥が深い、面白いゲームだと思っています。

<ゲームのテーマ:名将激突>
 比較的均質な軍を、「ハゲの女たらし・ローマが生んだ唯一の創造的天才」カエサルと、「マグヌス(偉大な)」ポンペイウスが争った戦いです。今でこそカエサルの名声が高いですが、開戦前は、ポンペイウスの方が将軍としての名声は高かったんじゃないかなあと思います。
 比較的均質な軍同士の戦いを扱ったウォーゲームというのは、かなり珍しい気がします。大体は、質のドイツ軍、量のソ連軍、みたいな感じで、非対称なことが多いです。

<ゲームの概要:積み木システム>
 ポイントトゥポイントのカードドリブン、そして「積み木」システムです。ユニットは木のコマで、相手におもて面が見えないように置きます。ユニットは上にした辺でステップ数を表現します。つまり、相手プレイヤーには、ユニットの数しかわからず、ユニットの種類、ステップ数はわからないわけです。コロンビア社はこの簡単に戦場の霧を再現する「積み木」システムが得意で、数多くの「積み木」システムのゲームを出しています。

<ゲームの流れ:とてもシンプル>
 基本的な流れは、
1 ラウンド開始時に1枚のカードを出す。大きい作戦値のカードを出したほうが先手番(同じ作戦値の場合はカエサル先手番)
2 カードに書かれている作戦値(1から4)分のスペースを活性化(そのスペースのユニット全てを移動できる。)する。敵を攻撃する場合は1スペース、攻撃しない場合は2スペース動かせる。(ただし、上陸作戦は別ルール)
3 カードに書かれている募兵値分のステップを増やす。
4 先手が2、3をプレイしたら、後手が2,3をプレイ。最後に両軍ユニット混在スペースで戦闘
5 次のラウンド。
というもので、とてもシンプルです。

 これを5ターン×5ラウンド(合計25ラウンド)行い、ゲームの最後にVPを相手より多く持っている方が勝ち、です。VPは、基本的には「ローマ」「アレキサンドリア」など、特定のスペースを保持することで得られます。(VPは累積していきませんので、基本的にはゲームの最後に持っていればよいです。)

<ゲームの特徴:実はかなり個性的>
 初めに「フシギ」だと思ったのは、通常のウォーゲームでは見られない特徴が多いからだと思いました。

1 本拠地がない。
 このゲーム、プレイヤーの本拠地がありません。軍の初期配置(ユニット数)が決まっているので、初期配置時点では、カエサルはガリア(現在のフランス)に軍が多く、ポンペイウスはイベリア半島やイタリア南部、シリアなどに分散しています。でも、本拠地がないので、「絶対に守らなくてはならない場所」というものがありません。ローマですら、VP2点のスペースにすぎません。

2 戦闘は基本的には防御側が有利だが、カードやダブルムーブなどでひっくり返る。
 戦闘は、6出ろシステム(目が小さいほうがいいですが)なんですが、騎兵ユニットは先に攻撃できます。仮にレギオン同士であれば、防御側が先にサイコロを振り、損害を適用してから攻撃側がサイコロを振ります。また、6出ろシステムなので、コマの数が多いほうが基本的には強いのですが、戦闘する際には1スペース、移動のみなら2スペース動けますので、相手が多くのコマで隣接してきたら、こちらもコマの数を増やせばよい、ということで、基本的には防御側が有利です。ところが、イベントカードで先制攻撃ができたり、後述するダブルムーブが起こりやすく、結構頻繁にひっくり返ります。

3 ダブルムーブが起こりやすい。
 ダブルムーブというのは、2回続けて移動することです。あるラウンドで後手をとって、次のラウンドで先手を取れば、2回続けて動けます。ダブルムーブの一番わかりやすい活用方法としては、最初の移動で、相手のコマに隣接、次の移動で相手のコマのスペースに入る→戦闘発生が起こせるのです。つまり、攻撃対象に援軍が送れない配置(つまり隣接しているコマがない)の場合、数的優位をつくることができます。(スペースごとの移動数制限などはありますが。)ほかにも、狙って2回連続で動ける場合は、かなり作戦の幅が広がります。
 このゲーム、ラウンドごとにカードを1枚ずつだして、作戦値の大きいカードを出したほうが先番なんですが、同じ作戦値の場合はカエサルが先に動きます。つまり、カエサルは、あるラウンドで後番を取れれば、高い確率でダブルムーブが起こせます。一方のポンペイウスは、後番になりやすいので、先番がとれるカードさえ持っていれば(一番楽なのはイベントカードか、1枚しかない作戦値「4」のカードです。)、ダブルムーブが起こせます。

4 カードの強弱が比較的小さい。
 基本的に作戦値が大きいカードは募兵値が小さく、作戦値が小さいカードは募兵値が大きいです。
 とはいえ、作戦値「2」のカードには、募兵値が「3」「2」「1」のカードがありますので、上位互換、というカードはあります。しかし、作戦値「1」募兵値「3」のカードと、作戦値「3」募兵値「1」のカードを比べた場合、一概にどちらが強いとは言えません。
 また、イベントカード(7種類)は常に先手番が取れ、第一ラウンドのみ先制攻撃など、個性的で、強力な効果を持っていますが、その代わりに活性化できるスペースは基本的には「1」(つまり作戦値「1」相当)で、募兵値ゼロです。つまり、ツボにはまれば劇的な効果を発揮しますが、通常カードのほうが汎用性が高いわけです。

5 両軍の戦力がかなり均質
 初期でカエサル軍が14ユニット、ポンペイウス軍が16ユニットです。ユニットの総数も30個ずつ(募兵値からいって全部作ることはできませんが)で、コマの戦力値に特徴はありますが(カエサル軍は戦闘力高め、ポンペイウス軍はステップ数多め)、かなり均質です。

6 艦隊ユニットと上陸作戦がかなり使い勝手がいい。
 このゲーム、陸上はポイントトゥポイントなんですが、海上は大き目のエリア制です。上陸作戦も比較的しやすいルールなので、陸上をゆっくり動いている間にすばやく上陸作戦されたりします。
また、艦隊ユニットで、沿岸陸上スペースを攻撃することもでき、作戦の幅を広げています。
しかし、艦隊ユニットは5個しかない(陸上ユニットは25個)ので、使い方が難しいです。

<このゲームを面白いと思った部分:抜群の戦略性>
 第一印象はかなり地味に映ります。それが、徐々に良さを感じてきました。
 まず、5ターントータルでの大戦略があります。コマの数には限りがあり、全ての方面で攻勢を取ることはできません。どこで押して、どこで引くか、というのはかなり重要です。状況は刻々と推移します。
 次に、毎ターン、カードを6枚配られ、事前に1枚を捨てて5枚プレイするんですが、1ターンごとの、配られたカードをどのように組み合わせて使うか、という中規模戦略も醍醐味の1つです。イベントカードは個性的ですが汎用性は低いため、盤面をにらみながら、どのような流れで使用するか、あるいはいっそ除外するか、という判断も重要です。
 そして、盤面もよくできていて、複数スペースから攻めやすいスペースや、逆に攻めにくいスペースなどがあり、海上移動も効果的なため、シンプルなルールでありつつテクニカルな動きもできます。
 これらの要素が絡み合って、とても面白いゲームになっています。プレイ時間も、3時間前後で終わるでしょう。

 そして、カエサルとポンペイウス、比較的均質であるようにみえつつ、プレイしてみると差異が際立ってくるのです。
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イ・セドル対アルファ碁

イ・セドル対アルファ碁
 いやー、めちゃくちゃ面白かったですし、めちゃくちゃ刺激を受けました。
 私は、囲碁については、学生時代に9路盤で十数回、19路盤で十数回打ったくらいで、ルールを知っている程度です。これから書くことは、その素人の感想ですので、とんちんかんなことを書いているかもしれませんが、ご容赦ください。

 ここ10年で一番面白く感じた「勝負」でした。(トリニダード対ホプキンス以上です)
 技術的特異点を想像させるという点でも、純粋に勝負としてみても、異文化理解という点でも、とても興味深かったです。

 技術的特異点を想像させる、という点では、「科学理論は経験則を超越することがありうる」ということを体験しました。これは、アルファ碁の進化速度が、私の経験則をはるかに超えていた、という意味です。囲碁は、コンピュータが世界トップクラスの力に達するには10年はかかる、と言われていたようですが、去年10月にヨーロッパチャンピオンを5-0で倒し、そして3月に世界トップクラスに4-1だったわけです。その進化速度は、私の想像を絶していました。

 純粋に勝負、ということになりますと、囲碁に詳しくない私なりに一戦一戦みどころがあり、とても楽しめました。(棋士の解説には感謝感謝です)私のなかのみどころとしては、
1戦目は、アルファ碁はセドルさんと勝負になりうるのか、というところでした。
2戦目は、碁は先手と後手で、ゲームプランが異なるそうですので、アルファ碁は先手でもセドルさんに勝ちうるのか、ということでした。
3戦目は、1、2戦と手を合わせて、では、対アルファ碁戦略もふまえて、セドルさんは勝機を見出せるのか、ということでした。
4戦目は、素人目には、刀折れ、矢尽きた感に見えるセドルさんが、いかに戦うのか、ということでした。
5戦目は、アルファ碁に弱点が見えたなか、それを踏まえて、どういう展開になるのか、でした。

 異文化理解、という点では、第四戦で輪郭がはっきりしました。コンピュータが勝つときはとてつもなく強く見えるけれど、負けるときはしょうもない負け方をするという話を拝見したのですが、まず、事実として、プロ棋士の強い分野でコンピュータが相対的に弱い、逆にコンピュータが強い分野でプロ棋士が相対的に弱い、ということがあるんだと思います。
 この事実に対して、人間は、基本的に自分の立ち位置から物事を判断するので、主体(今回は人間、より具体的にはセドルさん)に「できない」ことを、「できる」客体(今回はコンピュータ、より具体的にはアルファ碁)は、「すごい」と思いますし、逆に主体に「できる」ことを「できない」客体は「しょうもない」と思うんだろうなあ、と。そしてそれが、「衝撃」「カルチャーギャップ」「摩擦」になるんだろうなあ、と。
 人間とコンピュータの場合、差異がとても大きく、典型的ですが、これは人間同士においても、人種が異なっている場合、民族が異なっている場合、性別、地域性、年代、あらゆるところに多かれ少なかれ差異があります。この「差異」と、「そこから受ける反応」を今回あらためて体験できた気がします。

 そして、科学技術の進歩には、とてもワクワクします。ひょっとすると、日本のお先真っ暗な財政状況にすら、光が差したかもしれない、とすら思いました。(かなり話が飛躍していますが)

 また、素晴らしい対戦には素晴らしい対戦者が欠かせないことから、セドルさんと、アルファ碁開発チームには感謝、感謝です。

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2016/5/17更新

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