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多人数の相互干渉ゲーム:勝利者投票問題(最後の1ターン問題)

勝利者投票問題(最後の1ターン問題)

 先に述べたプレイヤー間の摩擦は、プレイヤー側の問題で、プレイヤーが努力すれば大きな問題にならないでしょう。一方、ゲーム側、システム側の問題が、今日とりあげる、勝利者投票問題(最後の1ターン問題)です。

<概要:勝利者投票問題 自分は勝てないことがわかったけど、今回のゲームであの人に勝たせるのはシャクにさわるとかなんとか。>
 相互干渉が強いゲームは、あるプレイヤーを袋叩きにすると、そのプレイヤーは大きなダメージを受けます。では、どんなプレイヤーが袋叩きにあうかというと、勝ちそうなプレイヤーです。シンプルなゲームで考えてみます。
1 サドンデスの勝利条件が決まっていて、ターン数が決まっていないゲームの場合
 勝利条件を達成しそうなプレイヤーは袋叩きにあい、勝利条件を達成できなくなります。またゲームが進んで、別のプレイヤーが勝利条件を達成しそうになったら、そのプレイヤーが袋叩きに遭い・・・理論上、ゲームは終わりません。

2 サドンデスの勝利条件はなく、ターン数が決まっていて、最終得点で競うゲーム
 ゲームはきちんと終わります。終わるんですが、トップのもぐらたたきは変わりません。特に最終ターンに近づくと壮絶になり、Aさんが勝ちそうでAさんが叩かれ脱落、次にBさんが勝ちそうでBさんが脱落・・・みたいな感じになります。
 で、ここからが「勝利者投票問題」になるんですが、最終ターンに自分の手番が回ってきた時に、どうやってもトップになれないプレイヤーはどうするんだろう?ということです。シンプルなゲームの場合、「トップになれないからパス」という選択肢はありません。自分がプラスになる行動をとっても他のプレイヤーの点数にも影響を与えます。これは相互干渉が強いので当然です。・・結果的にCさんの勝利に貢献した。というのが「勝利者投票問題」です。もちろん、もっと露骨に、「Aさんは最終ターン、どうやってもゲームに勝てないことが判明しました。Bさんにはゲーム中やられっぱなしだったので、Bさんとトップ争いをしているCさんが有利になる行動をとりました。」なんてこともありえます。
 この「勝利者投票問題」は、ゲームの構造的な問題で、プレイヤーの側で決定的な解決ができる問題ではありません。といいますのも、大体のゲームは、「勝つこと=1位になること」が目的で、2位、3位には意味を与えていないです。ゲームの目的は「勝つこと」であり、勝てなくなった時点で、「ゲームの目的がなくなる」のです。でも、手番は残っている。じゃあ、どういう行動を取るの?ということです。2位、3位に意味を与えていないゲームの場合、勝てなくなったら次の目標を何にするか書いてあることは、まず、ありません。
 ・・とはいえ、「勝利者投票問題」を抱えているゲームは多く、そういったゲームもプレイすることがあり、そんな場合、私だと、「一番勝利に近づく」行動をとる、あるいは、1位、2位に影響が出ない、という手をできるだけするようにしています。そんな感じでテキトーに流していますが、やっぱりこれはゲームシステムが抱える大きな問題です。

<最後の1ターン問題:どうせ展開がめまぐるしく変わるのなら、最後の1ターンだけゲームすればいいんじゃない?という話>
 相互干渉が強いゲームは、プレイヤーの意向でいくらでも展開が変わるので、そこで「途中の展開にあまり意味はなく、最後の1ターンだけプレイすればいい」というゲームも出てきます。「途中の展開に意味がない」と言い切れるゲームはそれほどありませんが、相互干渉が強いと、最終ターンの比重がとても大きくなるゲーム、というのはやはり存在します。

<解決方法>
 「勝利者投票問題」と「最後の1ターン問題」は、相互干渉が強い多人数ゲームが本質的に抱えている問題です。これを完全に解消することはなかなか難しいようです。
 ただ、この構造的な問題は、ゲームデザイナーも認識していると思います。そこで、どのようにこの問題を解決するか、どこまで解消しているか、というのは、相互干渉が強い多人数ゲームにとって大きな要素であり、ゲームデザイナーの腕の見せ所です。

1 複数の勝利条件を設定する。
サクセサーズの場合

 サドンデス勝利と、最終ターン勝利の2本立てのゲームは多いですが、私が今までプレイした相互干渉が強い多人数ゲームで、相互干渉を弱めることなく、一番うまくこの問題を解消しているゲームは、「サクセサーズ(アヴァロンヒル)」です。(私は旧版しかプレイしたことがありません。新版はいろいろ変わっているようです。それが良いか悪いかはわかりません。)アレキサンダー大王死後のディアドコイをテーマにしたこのウォーゲームは、勝利条件を5つ用意しました。
1サドンデスVP(規定の勝利得点(VP)
2サドンデスL(規定の正統性(L))
3第3ターン終了時に勝利判定(王族ヘラクレスを持ち、VP+L最大)
4第4ターン終了時に勝利判定(王族アレキサンダー4世?を持ち、VP+L最大)
5第5ターン終了時に勝利判定(VP値最大プレイヤーが勝利)
第5ターンでゲームは終了です。

 それぞれ勝利条件が異なります。第3・4ターンに勝利しそうなプレイヤーは特定の王族を保有していますから、誰が勝ちそうか目星がつけやすく、他のプレイヤーは勝利を阻止するか、王族を強奪しなくてはならないのですが、仮に勝利を阻止した場合でも、それでゲームが終わりではないため、次のターン以降に自分が勝利する目算も立てなくてはなりません。
 さらにこのゲームの特徴として、軍隊は戦闘で負けると、そのターン中ゲームから除外されますが(1ターン5ラウンド構成)、次のターンの開始時には、除外されたユニットのうち、傭兵は永久除去ですが、主力のマケドニア正規兵はゲームに戻ってきます。(損耗は受けますが)これにより、戦闘により一方の軍隊除去という、盤面上でダイナミックな展開が生まれるとともに、再起を図りやすくしています。

2 勢力ごとに勝利条件を変える。
 プレイヤーが担当する勢力ごとに勝利条件をがらっと変える方法です。この方法は、勢力ごとに持つ能力を変えるという方法を併用している場合も多いです。
 この方法をとると、勝ちそうなプレイヤーを直接打撃で袋叩き、という手が使いにくくなり、また、それがゆえに積み重ねの途中経過も重要となり、「最後の1ターン問題」も解消されます。一方、 相互干渉が薄れ、下手をするとソロプレイ状態になりかねない危険性を秘めています。

 例:fire in the lake(GMT社のCOINシリーズ)、here I stand(私は1回しかプレイしたことがありません。virgin queenは未プレイです。)

 fire in the lakeの場合
 2、3回しかプレイしていないので、詳しいことは書けないのですが・・このゲームは、ベトナム戦争を題材にしたゲームです。プレイヤーは、4人、アメリカ、南ベトナム(この2つが同盟関係)、北ベトナム、ベトコン(この2つが同盟関係)です。同盟関係があっても、単独勝利しかないゲームです。(共同勝利はありません。)
 基本的な得点要素が2つあり、1つはエリアを主に軍隊を使って「支配」すること。もう1つが民衆の「支持」を得ることです。南ベトナムと北ベトナムは「支配」、アメリカとベトコンは「支持」が主な得点源です。そのほかにも、得点要素は、各勢力ごとにあります。アメリカは軍隊と基地の撤収、南ベトナムは蓄財、など。
 一方、支配に強い軍隊は、アメリカと北ベトナムの強みで、南ベトナムとベトコンは軍隊よりはそれ以外のほうに強みを持っています(例えば、南ベトナムは警察、ベトコンはゲリラ)
 つまり、このゲーム、同盟関係、勝利条件、強み、いろいろねじれているところが妙味です。
 例えば、アメリカと南ベトナム、表面上は協力しており、また、初期においては協力しないと共産勢力にやられてしまいますが、最終的には自分だけの勝利を目指すため、徐々に足の引っ張り合いを始めることになります。
 直接打撃にこそ制約がありますが、同盟関係・強み・勝利条件がそれぞれ捻じれ、複雑な相互干渉が生まれています。

 銀河帝国の興亡の場合

 だいぶ昔にプレイしたので、詳しいところは忘れていますが・・・
 星間帝国を作っていくゲームなんですが、このゲーム、勝利条件はプレイ開始時に各プレイヤーにカードが配られ、秘匿されています。勝利条件を達成したら公開するわけです。
 このことから、一見、勝利者投票問題とも、最後の1ターン問題もクリアしているようにもみえるんですが・・大きな問題として、勝利条件にかなりばらつきがあるんですよね・・比較的簡単に達成できる勝利条件から、ほとんど無理に思える勝利条件まで、それこそマチマチで・・・
 それらを置いておいても、あまりプレイ回数が多くなかったこともあり、勝利条件秘匿というシステムがシステムとしてうまく機能しているのか、というところまではわかりませんでした。
 多彩な超兵器がつくれたり、戦艦のバリエーションも多かったりと、夢がふくらむゲームではあるんですけれど。

3 同盟をシステム化(ルール化)する。
 「プレイヤーがいっぱいいるから、いろいろ問題が起きるのだ。そして同盟は裏切りがあったりするからまずいんだ。」という発想で、同盟を簡単に破れなくして、同盟勝利をシステムに組み込んだゲームです。

デューンの場合
 デューンは、フランク・ハーバートのSF小説をテーマにしたゲームです。6つの勢力があるんですが、どれも個性的な能力を持っています。5つの基地のうち3つを支配したら勝ち、という陣取りゲームなんですが、同盟を明確にルール化しています。最初は同盟関係はないのですが、「砂虫」カードがめくられると、その時点でのみ、同盟交渉を結ぶことができます。(ハウスルールで、勝利条件ペナルティが無いのは2勢力までの同盟として遊んでいます)そして、この同盟、次に「砂虫」カードが引かれるまでは、破ることができないのです。そして、同盟で5つの基地のうち3つを支配すれば勝ち、です。
 結果、「砂虫」カードが引かれると、2勢力ペアの3個の同盟ができ、この同盟同士で壮絶な戦いが発生します。
 もちろん、その前の勢力増強はとても重要で、勝ちに近い、勢力が強いプレイヤー同士が同盟を組みますので、残り物同盟は、弱小同士、となってしまいます。最後の1ターン問題はきれいに解消されています。
 勝利者投票問題も、同盟により3つのペアに絞ることにより解消しています。展開は、勝利を賭けた2勢力の最終決戦、場合によっては第3の勢力の漁夫の利、みたいなことが多い気がします。さらに、決着がつかずに、再度「砂虫」カードが引かれて同盟の組み変え、みたいな展開もあります。)
 デューンも、これらの問題に対する1つの回答だなあ、と思います。このゲームのちょっとした問題は、6人プレイがベスト、ということです。同盟の性格的にも、個性的な能力を持つ勢力的にも、5人以下のプレイはゲームの魅力が半減してしまいます。

4 勝利者投票をできなくする。
 the king is deadの場合
 このゲームは1回しかプレイしたことがないので、詳しいことは書けませんが・・
 このゲーム、8ターン中に8枚のカードを任意のターンに使用する(1ターンに1枚カードを使う必要は無い、極端な話、1ターンに8枚全部使っても良い)という、斬新なシステムです。そして、たしか、最後のカード(8枚目のカード)は、自分が得点がトップになる場合しか使えない、ということになっていたと思います。この方法も結構斬新です。

5 ゲームの見通しを悪くする。(形勢判断を難しくする)
 根本的に問題を解決しているわけではありません。確かにゲームの見通しがよい=誰が勝ちそうかわかりやすいから、的確なトップ叩きが起き、見通しが悪いとミスリード=実質トップじゃないプレイヤーをたたくことも起こりうるのではありますが、結局、ゲームの見通しが悪くても、そのなかで相対的にうまく見通して立ち回れる人が有利になります。
 とはいえ、意図的にかどうかはわかりませんが、ゲームの見通しが悪く、結果的にこれらの問題が緩和されているゲームはあります。(面白い、面白くないは、また別の問題です。)

 積極的にこの問題を解消しようとしているゲームを、思いついた順にざっとあげてみました。もちろん、私がプレイしたゲームは限りがありますので、もっと良い解決方法もあるのかもしれません。
 私がプレイした限りでは、相互干渉を損なわずに、この問題を一番きれいに解消しているのは、サクセサーズだと思います。
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2016/5/17更新

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